柳生心眼流体術とは、正式名称を「柳生心眼流體術 荒木堂」と言います。
柔術、剣術、棒術等を含む総合武術であり、戦国時代からの格闘術を今に伝える、約400年の歴史を持つ伝統ある古武道です。
流派の成立は古く、少なくとも江戸時代初期に成立したとされています。
当流以外にも全国に様々な柳生心眼流の流派があり、その流派ごとに伝承や技術、思想も違い、当流は江戸時代初期に江戸浅草で発祥したという系譜を負っています。
当流祖は荒木又右衛門吉村とされ、法祖は柳生十兵衛とされます。
宗家は代々『荒木堂』と号し、江戸において柳生心眼流体術という名称で継承されてきました。 (左の画像は、約100年前に荒木堂八世星野天知の書した荒木堂の額)
その後、その流れは明治26年に当時を代表する文学者であり、同時に当流当時の宗家であった星野天知により鎌倉にその拠点を移し、以後鎌倉の地において、約百三十年にわたり継承されてきました。
時代が下り、明治の時代には武術が時代遅れの遺物とされ、様々な武術流派が雲散霧消していく中、当流はこの鎌倉という地において、脈々とその伝統を守り抜いてきました。
系譜は以下の通りです。
法祖 柳生十兵衛・流祖 荒木又右衛門
荒木堂二世 小山左門
荒木堂三世 松尾織右衛門
荒木堂四世 前原源太左衛門
荒木堂五世 岩本長右衛門
荒木堂六世 後藤柳生斎
荒木堂七世 大島正照
荒木堂八世 星野天知
荒木堂九世 山本和三郎
荒木堂十世 武藤正雄
荒木堂十一世 梶塚靖司(現宗家)
当流の詳しい説明は、日本古武道協会内に記載されています。
http://www.nihonkobudokyoukai.org/martialarts/069/
右は、鎌倉笹目ケ谷の鎌倉笹目道場跡地に立つ星野天知の石碑。
今でも地元の方に慕われている様子が窺えます。
私達は柳生心眼流体術を、明治期より続く鎌倉の重要な文化であると考え、その伝統が途絶えることが無いよう、日々稽古に励んでいます。